ベートーヴェン生誕250周年記念として開催の「梯剛之ピアノコンチェルトin北アルプス」は2020年に予定されていましたが、新型コロナのため2年の延期となり、残念ながら当初予定されていた梯剛之さんとオーケストラ「アンサンブル・グラツィオーソ」との共演は中止となり、ようやく3月20日に「梯剛之ピアノリサイタルトin北アルプス」と名前を変え開催されました。
始めに音楽監督・指揮の中村雅夫氏のコンサートにかける思いの挨拶から始まり、地元「ベートーヴェン生誕250年記念合唱団」の梯剛之さんへの歓迎合唱からスタート。長い間待ち続けた思いが詰まった和やかな合唱を聴かせていただきました。
ピアノリサイタルはモーツァルト・ドビュッシー・ショパン・ベートーヴェンと親しみある楽曲を解説を交えながらの演奏。中でもベートーヴェン「ピアノソナタ第23番 熱情」は素晴らしく「ブラーボ―」は控えるとの会場案内により、心の中で大きな「ブラボー」を叫びました。
アンコール曲の一つ、ショパン「雨だれ」はコロナ禍やウクライナ戦下の悲しみや苦しみの中で心に沁みてゆくようにも思え、早く何れも終息を願うばかりです。
ようやく実現した今回のコンサート。多くの関係者の皆様にはお世話さまでした。
オーケストラ共演を断念せざるを得なかった無念さを共感しつつ、東京より「リサイタル ㏌北アルプス」へ日帰りで伺いました。開演前に文化会館の周りを歩くと、北アルプスの雪をかぶった山々が美しく険しく聳えて、その清々しさに感激しました。
会場入口の姉上の愛子様の作品展を拝見していると、愛子様がお声をかけて下さり、お話することができうれしく思いました。中でも♪「皇帝」から発想したという翼のレリーフのある作品は剛之さんも触られたと伺いました。
演目のソナタ「トルコ行進曲付き」は所々に即興的に装飾音をちりばめて、私にはそれが新鮮で、梯さんも楽しまれているようでした。
ベートーベン「熱情」は終楽章へいくほど盛り上がり、ピアノの音が大ホールに循環するように大変よく響いて会場の人々と一体となりました。
帰りの大糸線で、コンサート帰りの地元の80歳くらいの女性と一緒になりました。
ピアノを習い毎日に3,4時間の練習が生きがいになっているとか。ベートーヴェン、ショパンも弾くそうで、大町にはこういう素敵なファンもいらっしゃるのです。
「子どもに伝えるクラシック」活動は大人の人も音楽へ導かれているのです。